こんにちは、MOZUです。
2017年12月に中国の大連に行った際、運良くビジネスクラス開放席に座ることが出来ました。
機材仕様と販売している航空券クラスの関係で、ビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスの座席をエコノミークラスとして運行(開放)している路線があり、それがビジネスクラス開放席、C開放席、などと呼ばれています。
エコノミークラスのチケット(料金)でビジネスクラスのシートに座れるので、とってもお得な気分になれます。
JALの大連路線には、最新機材であるB787-9「JAL SKY SUITE 787」が投入されており、今回はそのビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE Ⅲ」に座ることが出来ましたので、詳しくレポートしたいと思います。
SKY SUITE Ⅲのビジネスクラスシートは、SKY SUITEやSKY SUITEⅡと比較すると占有面積が狭くなっていると言われており、その快適性が気になっている人も多いのではないでしょうか。
また、ヘリンボーン型のSKY SUITE Ⅲの中央座席は、フルフラット(ベッドポジション)時に隣同士の足元が立体的に交差する独特の構造になっており、左右の座席でベッドポジションの高さが違うということで、そのD席(左側)とG席(右側)を実際に利用した比較もしていますので、参考にしてください。
スポンサーリンク
JAL SKY SUITE Ⅲ
JAL SKY SUITE 787のビジネスクラスシートは、フルフラットシートを斜めに配置するヘリンボーン配列の「JAL SKY SUITE Ⅲ」が採用されています。
(JALホームページより)
配列 : 1-2-1(横4席配列)
ベッド長(最大):約198cm(座席位置により異なる)
ベッド幅:約53cm(可動式アームレスト収納時は約74cm)
シート幅:約51cm(アームレスト間)
個人モニター:17インチ
1-2-1の座席配列で、全席から通路へのアクセスが出来る様になっています。
中央の座席では、シートをフルフラット(ベッドポジション)にした際、隣同士の足元を立体的に交差させることで、限られたスペースを有効に使う工夫がされています。
需要が高まるフルフラット化とビジネスクラスの座席数をしっかり確保する省スペース化を両立したシートであり、これまでのSKY SUITEやSKY SUITE Ⅱと比較すると1席あたりの占有面積が狭くなっています。
ちなみに、一番占有面積が広いのはSKY SUITE Ⅱだそうです。
サイドテーブルからヘッドレストまわりのシートシェルが一体となった構造によって、個室の様なプライベート空間が保たれています。
その一方で、写真を見た印象だと横方向が少し狭い様に感じ、その圧迫感が少し心配です。
(JALホームページより)
もちろん、座席はフルフラットのベッドポジションにもなります。
(JALホームページより)
スポンサーリンク
座席の設備
ここからは、実際に搭乗した際の写真を使ってシートの使用感などを紹介していきます。
機内前方から見ると、この様な形で座席が配列されています。
窓側の席は窓に向かって、中央の座席は機内の中心に向かって、それぞれ、進行方向に対して斜めに配置されています。
シートシェルがパーティションの様になって個室感が強く、座っている時に他の人の存在が気になることはほとんどありませんでした。
中央の座席も、隣との間に可動式のプライバシーパーティションがあるので、かなり前にかがまなければ、隣の人と目が合うことはありません。
まずは、私が大連への往路で座った12D、中央座席の進行方向に向かって左側の席の写真で座席回りの設備を見ていきましょう。
まず最初に目に付いたのが、この3点式のシートベルトです。私は、飛行機で初めて見ました。
車のシートベルトと同じ様なものですが、斜めにかけるベルトはバックル部分で取り外すことができるので、通常の2点式と同じように使うことも出来ます。
離着陸時の時には3点式で着用する様にアナウンスがあり、CAさんによるチェックもあります。
3点式は、正直言って着けていると邪魔でしかなかったので、私は、離着陸時以外は2点式で使っていました。
着席しての前方の眺めはこんな感じです。
腰を浮かせて前方を覗くとこの様に見えます。
進行方向に向かって斜めに着座するので、やや違和感がありますが、そう感じたのは座った直後と、離着陸時くらいで、特に問題はありませんでした。
さすがビジネスクラスのシートなので、足元のスペースは十分です。(私の身長は178cm)
写真で見たシート形状から、座った時の圧迫感が気になりましたが、圧迫感というよりは、心地よい包まれ感でした。
足元の前方にある箱状の部分が、フルフラット(ベッドポジション)にした時に足が入るスペースです。床からの高さが分かると思いますが、フルフラット(ベッドポジション)にするとこの高さのベッドポジションになるので、D席(中央左側席)では、かなり低い位置に寝ることになります。
座席に座った目線で見える様子はこんな感じです。パノラマ写真を撮ってみました。
この写真では伝わらないかも知れませんが、モニターは17インチのタッチパネル式でとても大きいです。モニターの下部を押すとシートポジションに合わせてモニターの角度調整をすることができます。
目線を通路側に移すとマガジンラックがあり、その下にシートポジションの操作パネルがあります。
上の二つの赤丸がシート背もたれの傾き調整、その下の十字がランバーサポートの調整、三日月のボタンはフットライトのスイッチです。
自動でフルフラットになるボタンは無いので、フルフラットにする時や戻す時にはスイッチを押し続ける必要があります。
マガジンラックの横に折りたたみ式のテーブルが収納されており、その上の小さな丸いのはコートフックです。
テーブルを使う時には、この様に倒して、
テーブル面を手前に引いて使います。
テーブルの広さとしては機内であることを考えれば十分だと思います。奥の三角スペースにも物が置けるのが結構便利でした。
座席の通路側には、高さを数段階で調整することができる可動式のアームレストがあります。
離着陸時には一番下の位置に収納しておく必要がありますが、それ以外の時には引き上げてアームレストとして使います。
離陸してシートベルトの着用サインが消えると、CAさんが回ってアームレストを上げてくださいました。
アームレストの内側が空洞になっていて、小物入れとして使うことができます。
さらに、このアームレストは、JALのホームページでは「ベッドスペースにもなる可動式アームレスト」と説明されています。
この様に、フルフラット(ベッドポジション)にした時にベッド面と同じ高さにセットすればベッドスペースにもなる、という事のようです。
シートスペックでシート幅が約51cmとなっているのに対して、ベッド幅が最大約74cmとなっているのは、この部分の幅のことなのですね。
少し無理がある様に思いますが、、、
通路側と反対側には、広めのサイドテーブルがあり、隣の座席との間に可動式のプライバシーパーティションがあります。
このプライバシーパーティションのお陰で、意図的に覗き込まない限りは隣の人と目が合うこと無く、しっかりとプライバシー性が確保されています。
サイドテーブルの壁面?には開閉式の小物入れがあります。
小物入れの扉の裏にはバニティミラーがあり、小物入れの中にはヘッドホンを掛けておけるフックがあります。
小物入れの下部には電源などのポートが並んでいます。
奥から、ユニバーサルタイプのAC電源、USB充電ポート、ヘッドホンジャックが並んでいます。
読書灯とエンターテイメントシステムのコントローラーはこの位置にあります。
コントローラーにはタッチパネル液晶画面がついており、スマートフォンの様な操作感です。
コントローラーの液晶画面でコンテンツを楽しむことも出来ますが、せっかく目の前に17インチモニターがあるので、その使いどころは分かりませんでした。
スポンサーリンク
ヘリンボーン配列中央D席とG席比較
JAL SKY SUITE 787のビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE Ⅲ」の大きな特徴と言えるのが、シートの配列がヘリンボーン型になっていることです。
ヘリンボーンとは、ニシン(herring)の骨(bone)という意味で開きにした魚の骨に似る形状のことです。
このヘリンボーン配列のJAL SKY SUITE Ⅲの中央座席(D席とG席)は、ベッドポジションにした時の足元スペースを十分に確保するために、進行方向左側席(D席)はシートが下へ、右側席(G席)は上に移動することで、足元スペースが上下に立体交差する独特の構造になっています。
今回の大連路線での搭乗で、往路はD席(左側)、復路はG席(右側)に座ったので、それぞれの違いを実際に比較してみましょう。
まずは、シートを前方から見た写真を見比べてみましょう。
パッと見は違いが無いように思えますが、細かいところを良く見ると、通路とは反対側のアームレストの形状や大きさ、通路側のアームレストと座面の高さ関係に違いがあることが分かりますが、こうやって写真で見比べて初めて気付く程度の違いです。
実際に座った感じではG席の方が座面が少し高い様に感じたのですが、実際に高さを測ったわけではありませんので、気のせいかも知れません。
D席とG席で明らかに違うのは、フルフラット(ベッドポジション)にした時に足を入れる部分(フットレスト)の位置です。
D席は床面に近い下部に、G席はモニターの直ぐ下に、それぞれ足を入れるスペースがあります。
それぞれの足を入れるスペースの上下にある 黒い部分が、隣の人の足が入るスペースになっていて、上下にクロスしているのです。
こちらの写真を見るとD席の足を入れるスペースがかなり低い位置にあることが分かると思います。
D席の場合、フルフラットにすると床から20cm無いくらいの位置に横たわる事になります。
ちなみに、窓際の席はこんな感じです。
モニターの直ぐ下に足を入れるスペースがありますが、モニター下の白い部分がG席よりも広いので、G席よりもやや下目に位置していることが分かります。
恐らく、隣席の干渉が無い窓際席のベッドポジションが最適な高さに設計されているのでしょうね。
窓際席は飛行機の内壁に向いて斜めに配置されているため、フルフラット(ベッドポジション)にして横になった時に、足先が内壁に干渉しないかが少し心配です。
こちらの写真は、D席に座って隣のG席側を見た目線ですが、G席でフットレストに足をかけると膝がこの様に見えるくらい高い位置になっています。
次はフルフラット(ベッドポジション)にした状態を比べます。
ベッドポジションで横になった状態で首を起こして見た目線がこうなります。
この高さの違い、分りますよね?
二段ベッド状態です。
D席は低い位置からモニターを見上げる感じになるので見やすいですが、G席はモニターが正面になるのでフルフラット状態ではややモニターが見難く感じました。少しシートを起こしてやれば見易くなります。
シートを倒すと、D席は座面が下に沈みながら、G席は座面が上昇しながら、前方にスライドして行って、写真のベッドポジションになります。
そのため、テーブルを出した状態でシートをリクライニング(倒す)すると、D席ではテーブルから離れて行き、G席ではテーブルに近づいていくことになります。
G席の場合は、ある程度の角度までリクライニングすると体がテーブルに干渉してしまいテーブルを使うのが難しくなります。この点はG席のデメリットかもしれません。
足を入れるスペースの縦方向がやや狭いので寝返りを打つにはやや窮屈に感じます。仰向けで熟睡できる人は良いですが、横向きに寝たい人には少し辛いかも知れません。
とは言え、飛行機の中で完全に横になれるのですから、それだけで十分に贅沢ですね。
仰向けに寝た時の目線はこんな感じです。
それぞれで見える天井の高さの違いがこの写真で伝わりますかね?
D席はかなり低い位置に寝そべるため、シートシェルなど周りの構造物がそびえ立って見るので、囲まれている感じが強く、やや窮屈に感じました。
逆に、G席は高い位置に寝そべるので、やや解放感があります。
実際に寝そべって見える景色はそれぞれ全く違う印象です。
寝そべった状態で通路側を見た目線は、それぞれこんな感じです。
D席からの目線はアームレストと同じくらいの高さですが、G席からの目線はマガジンラックと同じくらいの高さになります。
例えて言うなら、D席は布団を敷いて寝ている感覚、G席はベッドに寝ている感覚、といった感じです。
D席は本当に床に近くて、手を伸ばせが床を触れるほどの低さです。
この高さで横になっていると、通路を歩く人の足音がほぼ耳元なので、落ち着いて寝るのが難しいかもしれません。
私がG席でベッドポジションにしている時に、お隣(D席)の方もベッドポジションでお休みになられていた様なのですが、G席からD席を見るとこの様に全く姿が見えないくらい高低差があります。
林間学校の二段ベッドに寝ている様な感覚を覚えましたw
まとめ
JALの最新機材であるJAL SKY SUITE 787のビジネスクラスで採用されている「JAL SKY SUITE Ⅲ」をご紹介しました。
全体的な印象としては、個室感を高めることでプライベート空間がしっかり確保されているので、他人の存在をほとんど感じない点は良かったです。
その一方で、座席数を稼ぐために省スペース設計されたこともあり「やや狭い」という印象は否めません。
また、ヘリンボーン配列の中央座席となるD席とG席でフルフラット(ベッドポジション)時に隣同士の足元スペースが上下に立体交差する独特の構造については、実際に利用してみると、まるで二段ベッドに寝ているかの様で、想像以上の高低差に少々驚きました。
私の率直な感想は、
D席は布団を敷いて寝ている感覚
G席はベッドに寝ている感覚
です。
それぞれ好みが分かれるところだとは思いますが、私は高い位置に寝るG席(進行方向右側)の方が好みでした。
次の機会があったら、今度は窓側の席に座ってみたいものです。
やや狭い印象のあるJAL SKY SUITE Ⅲですが、中距離路線なら十分に寛げる贅沢な座席だと思います。
今回はビジネスクラス開放席としてお試しすることが出来てラッキーでした!